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7月1日、「天然とり貝」の漁が解禁となったので、早速、
宮津に出かけた。
先月、京都の錦市場で見た「育成とり貝」は、これがとり貝かと
疑うほど小さく、こういうものを市場に出して良いのだろうか。
尋ねると、とり貝の人気が高くなって、大きいものは高値で
東京に出荷され、地元にもう残っていない、とのことだった。
さすがに宮津の行きつけの店では、大き目のものが出てきたが、
それでも去年と比べると小ぶりで申し訳ない、と恐縮していた。
今年からすべて漁連に集荷され、漁師から直接買い付けることが
できなくなったそうだ。高値で売るには良いのだろうが、地元に
残らないとなると問題だ。
旬のとり貝をと、わざわざ宮津に出かけた人を失望させる。
とり貝1枚に2千円~5千円の値をつける東京の高級割烹や
寿司屋が、地産地消の良風を崩壊させることになる。
★岩牡蠣
冷えた白ワインと生の岩牡蠣の取り合わせを愛する人には
こたえられない季節だ。ヨットマンである渡部進治さんも
その一人だが、渡部さんによると、あるヨットマンは、うまい
岩牡蠣を見つけて、居をそこに移したとか。
宮津の清輝楼さんは、岩牡蠣を陶板焼きにしてくれた。
岩牡蠣の鮮度と味をできるだけ活かすよう下味も工夫して
あるようだ。 「旬のおもてなし」と言える一品。
木村隆之
宮津の府立海洋高校の水槽を
見学した。
「縦に泳ぐひらめを見たことありますか?」
言われて見るとなにか稚魚が水槽のなかを群れ泳いでいる。
「これは孵化したばかりのひらめの稚魚です。ひらめは
稚魚のときは、普通の魚のように背びれを上に右目は
右を見て泳ぎます。
しばらくすると右目が左に寄ってきて二つが並び、
体は右に倒れ、海底に伏せ両目で上を見るようになります。」
水槽では、とらふぐ、あこうなどの高級魚の飼育が行われている。
なんと、ちょうざめもいた。もっともちょうざめの飼育には大きな
水槽が必要で、キャビアがとれるようになるには7~8年かかる、
そうで、宮津ブランドのキャビアは遠い夢とのことだった。
海洋高校は、185トンの実習船「みずなぎ」を備え、底引き網実習や
ナホトカ航海実習を行っている。
海の好きな子供に夢をあたえる学校だ。
生徒たちが、南向きの校舎の窓にロープ網を張る作業をしていた。
日よけになるようゴーヤを植え網にはわせるのだそうだ。
生徒たちの明るい挨拶に送られ、さわやかな気持ちで学校を後にした。
京都府立海洋高校
宮津市上司1567-1 (栗田半島東側栗田湾) Tel:0772-25-0331
http://www1.kyoto-be.ne.jp/kaiyou-hs/
木村隆之
演目は三番叟。新浜が昔の花街の華やぎを一瞬取り戻した。
子供歌舞伎は5年振り。演じる子供たちには初舞台だ。
それでも、花柳芳若那さんの指導で練習を重ね、晴舞台を
飾った。
「以前は、宮津の九ケ町に芸屋台があったのです。それが
今は、宮本町の一台だけ。しかも、輪番制だから5年に
一度しか観られない。一台でも二台でも復元したい。」
:今井一雄さん(宮津商工会議所会頭)
宮津の春は、4月に入ると、上宮津の愛宕神社の祭、府中は
籠神社の葵祭、宮津の宮津祭と続く。それぞれの地域の町の
神社の氏子が先祖から受け継いだ芸を神社に奉納する。
宮津は人口が減り続けている。子供は進学や就職で都会に
出てゆく。そういうなかで、後世に祭を残してゆくことは
たいへんなことだ。いずれの祭でも必ず、子供から青年、
大人へと、順に芸を披露する。伝統芸を継承するシステムだ。
太鼓を打つ子も見守る大人も
真剣。
夜の街中を練った神輿の宮入で祭は終わる。
祭の余韻を求めてまちなかにでてみた。閑散としていた。
祭を観に来る観光客は少ないのだろう。
木村隆之
旧宮津城下町西地区の日吉神社と
東地区の和貴宮、二つの神社の祭りが
行われる。
(写真は昨年の娘太鼓)
町内を太鼓や神楽が廻り、宵宮は
遅くまで賑わう。
ハイライトは15日夕の神輿の宮入り。
今年の注目は「子供歌舞伎」。
芸屋台は久しぶりの登場。
子供たちの練習の成果が楽しみ。
13日と14日の2日間、屋台が町内をまわる。
13日17時半 清輝楼旅館前
http://www.seikirou.co.jp
木村隆之
この春に、海の駅に指定された田井
宮津ヨットハーバーを拠点に、
宮津湾と内海の阿蘇海を巡る。
ゆったり歴史旅。
★伊根の舟屋
海の駅を舟で出る。天橋立を眺めながら、かもめをお供に、
先ずは、外海を伊根に向かう。伊根湾に入って舟屋を眺めながら
その一画にある向井酒造の桟橋に舟をつけ、そこで利き酒。
赤米を使った伊根満開が女性に人気。女杜氏で有名な向井
久仁子さんから酒づくりの話を聞く。
伊根湾では、まぐろの畜養が行われている。九州で捕獲した
まぐろを運んできて、200キロに育てる。
★籠神社・真名井神社
帰りは、府中一宮で下船、籠神社にお参りする。
豊受大神を祭る奥宮の真名井神社も欠かせない。
磐座の西座は天照大神が祭られる。
豊受・天照両大神は、後に伊勢に遷座される。籠神社が「元伊勢」と
呼ばれるのは、そういう歴史があるから。真名井の水は霊験あらたかな
ことで信者が多い。
籠神社の禰宜ー海部(アマベ)さんに会って、籠神社の歴史を
伺おう。海部家の家系図は国宝に指定されている。現在の当主は
第82代。
(籠神社葵祭りでの82代宮司海部光彦氏)
★知恩寺
船を乗り継いで阿蘇海を文殊に向かう。知恩寺の文殊菩薩を拝む。
和泉式部の歌碑も見逃せない。橋立ワインのオーナー山崎さんの
店が智恩寺の境内の入り口にある。丹後のぶどうからつくった
ワインで一休み。
★宮津教会天主堂
廻旋橋をくぐって、内海から再び宮津湾に出て宮津のまちへ。
船を下りて宮津教会天主堂に。日本で二番目に古いカトリック
教会。日曜日はミサがあるので中には入れない。
宮津のまちなかには、与謝蕪村が滞在した見性寺もある。
雪舟描く天橋立図にお目にかかることができるかもしれない。
宮津のまちなか観光についてのお問い合わせは、
「まちなか観光推進協議会」の稲葉年治さんまで。
⇒
宮津湾観光問い合わせ
⇒丹後海陸交通 http://www.tankai.jp/
⇒田井観光フィッシング http://taikankou.com
木村隆之
「十三の墓標」がドラマになり、宮津が舞台として登場する。
主演は近藤真彦。宮津出身の吉岡さんが出演する。
和泉式部伝説は全国各地にあり、小説では十三の墓標のうち、
佐賀の有明、丹後の宮津、信州の上諏訪が舞台となっている。
宮津の和泉式部の墓はどこにある?宮津の由良に住み、丹後研究を
重ねる坂本与一郎さんに尋ねてみた;
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「和泉式部は、丹後国司に任じられた夫の藤原保昌に随って宮津にやって
きたが、夫が都に帰るに当たり、独り宮津に残り、山中(やまなか)の
里に庵を結び、侘びの世界に生きた。
わびぬれば
けぶりをだにも絶たじとて
しばをりたける冬の山里
夕暮れは
物思うこの増日かな
われならさらん人に問はばや
最も妖艶な女流天才歌人、和泉式部は、丹後で、その生涯を終えた。
式部の墓は宮津の山中にある。」
-坂本与一郎 丹後学会 「大江山、和泉式部和歌物語」から
http://kinmirai.hp.infoseek.co.jp/chiki-tanngogaku-
ooeyama.htm
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山中(やまなか)の里*を訪ねると、式部の墓は、山すその畑の中に
あり、二基の墓標を中に左右に三基ずつ並んで立っていて、まるで
花ござに童女たちを随え座っているようだった。里の人は、女の子の
お祭りにお参りするそうだ。
*宮津駅の裏手、グンゼ宮津工場を東に府道45号線を車で10分、
日吉神社への道の手前右手山すそにある。
この道は、昔は、福知山から由良岳の西側を宮津に抜ける道であった。 山中で道を左手にとれば宮津に、右手に行けば栗田の浜に出る。
福知山から由良川沿いに由良の浜に出たひとは、そこから舟で栗田に
行き、山中を経て宮津に向かう。
いずれにしても、山中は京の都と宮津の府中との往来の要であった。
式部は、この地に庵を構え、都に上がるひとに歌を託し、ただただ、
都からの便りを待ちながら、余生を送ったのではなかろうか。
あらざらむ
この世のほかの思ひでに
いまひとたびの
逢ふこともがな 和泉式部
(小倉百人一首五十六番)
和泉式部イメージ画:David Bull「百人一首版画」から
「いや、会ったことないが、会ってみたいね。」
「?!栗田で取れるいちごのことじゃ。あまいで。」
宮津から舞鶴に向かい峠を一つ越えると栗田(クンダ)。
栗田湾の入江が眼下に開ける。地味の良さそうな農地に
ビニールハウスが点在する。
あきひめはここで栽培されている。
大粒だが、表面が薄く、やわらかで甘い。
あきひめは、静岡で生まれた改良種を、十数年前に
栗田に導入、栽培が始まった。工夫を重ね、今のあきひめが
誕生した。
表面が薄く、傷がつきやすいので、市場への出荷、通信販売は
しない。朝市で売ったり、近辺から買いにくる。
デリバリーを工夫して京阪神にもと思うが、美味いものは
取れたてをそこで食べる、それが一番。あきひめはそういう商品
なのだろう。
http://miyazu-clb.wablog.com/file/%E7%AB%A0%E5%A7%ABakihime+002.JPG
知人の中嶋章夫さんとこで栽培しているので訪ねた。
章姫を育てる章夫、かと思ったが、ハウス栽培の世話をするのは
お父さん。12月から出荷が始まり、5月まで続く。1年を通しての
世話はたいへんだそうで、仲間のひとりは、高齢で世話ができなく
なって栽培をやめたとのこと。
せっかく育ってきた栗田の名産、あきひめを若い人が引き継いで
いってほしいものだ。
木村隆之
伊根漁港がある。舟で伊根湾を入ると、舟屋群に
囲まれる。舟屋からいっせいに漁の舟が出る様を
想像すると血が騒ぐ。
この海で、本マグロが育てられている。九州の壱岐の
海で獲った100キロの本マグロを巻網で日本海を引いてきて
伊根湾の3基のいけすで半年かけて150キロから300キロ
くらいに育てる。伊根の海は、年間通して水温が低く、よく育つ。
2月26日に、味見する会があった。解体された本マグロは230キロ、
体調180センチ、脂が乗った切り身は美しく、トロの握りは真に美味。
市場にはキロ6千円くらいで出荷するようだ。この価格だと高級料亭
向きとなり、庶民の食卓にはのらないだろう。
それでも年に一度は口にしたい。中国には知らせると、香港の寿司王に
買占められないだろうか???
2月28日
木村隆之
ふわふわと雪が舞い始めた。人通りの絶えた暗い道が、
少しずつ雪に覆われて、白く浮かび上がってゆく。
翌朝、窓を空けると、宮津の街はすっぽり雪に
埋まっていた。街路樹は雪の華をつけていた。
2月16日 木村隆之
時雨れる丹波路をたどり、大江山を越えて
来てみると、宮津は暖かかった。
「漁はぱっとせえしまへん。水温は13度くらい。
例年より2度は高い。
山の雪が溶けて海にきてくれんことには
どうもならん。」
田井漁港で宮前さんがつぶやいた。
気象庁の日本近海海面水温マップ*を見てみると、
20℃~15℃の対馬暖流が昨年に比べると北に
押していて、他方、北洋から流れてくる10℃以下の
リマン海流がまだ北にある。
リマン海流はプランクトンが多く、これが下がって
くると、小魚を追う大型の脂がのったぶりがやって
きて、漁場はにぎわう。
*http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/db/kaikyo/
daily/sst_jp.html
宮前さんの雪待ち説は、長年の体験に裏づけられて
いるのだろう。
琵琶湖でも雪が少ないと、湖水の表層と深層との
循環が起こらず、深層への酸素供給が不足し底に棲む
生物にダメージを与える、という。
光合成の活発な浅いところと、ミネラル豊かな深い
ところとの循環が活発であると、植物プラントンが増え、
これを摂取する動物プランクトンが増え、これを求める
小魚が育ち、これを捕食する大型の魚が増える、こういう
循環が活発な海が良い漁場となる。
★この循環が大規模に行われる現象は湧昇と呼ばれ、
ミネラルに富んだ深層水が表層に上がってくると、
植物プランクトンの爆発的な増殖が起こる。例えば、
カリフォルニアのモントレー湾は世界有数の湧昇域で、
ここにはケルプという丈が60メートルもある巨大な
海藻が群生し、様々の生物の温床になっている。
モントレー湾でおなじみのラッコは、ケルプの根を
食べるウニを食べる。
*長沼 毅著「深層水-湧昇、海を耕す!」集英社新書
★人工湧昇技術開発 湧昇流域で植物プランクトンが
爆発的に増殖することに 注目し、プランクトンが
光合成する際にCO2を取り込む作用を利用して、CO2を
海洋に取り込む研究が、地球環境産業技術研究所で
おこなわれている。
http://www.rite.or.jp/labo/choryu/jinko.html
木村隆之

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